静岡県音楽コンクールの歴史

入賞盾

1976(昭和51)年、静岡県のクラシック音楽の普及と演奏技術の向上を目的として静岡県演奏家協会、静岡室内楽協会、静岡県オペラ協会の3協会により静岡県音楽コンクール委員会を発足し「第1回静岡県音楽コンクール」(一般対象)を開催しました。コンクールは成功をおさめましたが、収支面で継続が危ぶまれました。

翌1977(昭和52)年、第2回コンクールから静岡県音楽コンクール委員会を再編成し上記3協会に静岡新聞・静岡放送が加わり(委員長=大石益光)経費・参加者募集・事務処理を静岡新聞・静岡放送、審査・課題曲選定・特別審査員の選定、交渉などを3協会が担当することになりました。

1980(昭和55)年からは、小学生から高校生までを対象にクラシック音楽を志す若い才能を発掘し、県の音楽文化の更なる向上に寄与すべく「学生の部」を併設することになりました。「学生の部」は参加者が順調に増えていきましたが、「一般の部」の減少傾向を受け1985(昭和60)年、第10回大会を最後に静岡県音楽コンクールは「一般の部」を廃し「学生の部」だけを継続することになりました。

名称は「静岡県学生音楽コンクール」に変更し、その後毎年開催(2020年及び2021年は新型コロナウィルス感染症蔓延のため中止)されています。

また、2006(平成18)年の第27回大会からは静岡県音楽コンクール委員会に公益財団法人静岡県文化財団が加わり大会運営の協力を受けることになりました。

表彰の様子

どの部門からも国内外で活躍する演奏家や作曲家を輩出し、県内で活動しているオーケストラや、室内合奏団がプロ・アマチュアを問わず増え、特に吹奏楽分野での多くの演奏活動が生まれたのは、このコンクールが演奏家だけでなく、優秀な指導者をも育てた成果だと言えるでしょう。

地域が主催する音楽コンクールでありながらも、ヴァイオリンの中村真紀子(ウィーン・フォルクスオーパー副コンサートミストレス)、ピアノの冨士素子(東京藝術大学特任准教授)、サクソフォーンの須川展也(東京藝術大学招聘教授、京都市立芸術大学客員教授)、作曲の伊藤康英(洗足学園音楽大学教授)など、国内外で活躍する音楽家を多く輩出していることは特筆に値します。

2022(令和4)年、第41回大会は静岡県音楽コンクール委員会(静岡新聞社・静岡放送が退き日本弦楽指導者協会静岡県支部が加わる)主催、公益財団法人静岡県文化財団共催、各社協賛によりに再開されました。

また、改編された静岡県音楽コンクール委員会は2022(令和4)年、8月10日付けで特定非営利活動法人静岡県音楽コンクール委員会という名称で政令市静岡市の認証及び静岡地方法務局への登記などの手続きを完了し、再スタートしました。